12/31日。
7:30起床。どうやら予報通りの雨が降っている様です。
とりあえず、着替えてレストランへ朝食を食べに行きます。正直、昨日ズブ濡れになったのでもう濡れたくないという気持ちでいっぱいでした。
予定では朝からキャノピーウォークの予定でしたが、朝から降る雨でノリ気になれません。
朝食を終えたところでキャノピーウォークの集合時間が近づきます。この日もムティアラ・タマンネガラに宿泊することは確定しているので、集合場所でスタッフに今日の参加をキャンセルして、明日の朝へ変更を申し出ました。
部屋に戻り、この後どうするかと言う話になります。なにせここには何も無い。このままでは、夜のニューイヤーBBQまで暇を持て余して死にそうです。
ジッとしていられない我々は、雨脚が弱くなったことを理由にブンブン(動物観察小屋)へ行くことにします!
唯一、その道のりが閉鎖されていないブンブン・タビンを目指します。距離は約3km!ブンブン・クンバンと比べれば、お散歩程度だろう。とこの時思ってしまいました。
画的にもブンブンの画が欲しい!というか何しにマレーシアのジャングルまで来たのか分からなくなるので、ジャングルに入る決心をしました。
11:00 出発です。雨は小降り!
ブンブン・タビンまで3.1kmだそうです。話によると1〜1.5時間で着くとのこと。
しばらく歩くと遊歩道がなくなりました。土が剥き出しの地面を踏みしめてジャングルの中へ進みます!
先の情報で得ているヒルが出現が頭をよぎり緊張します。
意外と日本の森と大差ないんじゃないかと思いながら歩いていると、前方から賑やかなご一行が。
短パンTシャツに泥だらけの5〜6歳児を含むファミリーでした。これには呆気にとられてしまいました。我々が意気込んで来たジャングルがこんなラフな格好のちびっ子が行けるものなのか?と
なんだか気が抜けてしまいしばらく歩いていると、そういえば雨脚が強くなっていることに気がつきます。ジャングルの中なので背の高い木々が傘の様になり、ワンクションおいて木々から落ちてくる雨水が雨になっていることで音がもの凄いですが、その迫力程雨は強くありません。
休み無く小一時間歩いたので、どこかで休憩を取ることに。辺りを見渡しても抜かるんだ泥の地面しかありません。仕方なく足を止められそうな場所を探しながら先に進むと、コンクリートで出来た小さな橋があります。ここで休憩!水を飲みながら靴のチェックをしていた友人の足にヒルを発見!
写真を撮って騒いでいましたが、ふと我に返り自分の靴を脱ぎ、靴下を捲ってみるとそこには数匹のヒルが・・・!!
ヒルパニックの始まりです!皆一斉にヒルチェックを行うと居るわ居るわ!ヒルヒルヒルヒルッ!!
悪夢ですよ。全く気づかないし、靴下を通り抜けているし、腕を這っていても何も感じません。目視でしか気づけない怖さ。足も止めず歩き続けていたのに何故?
お散歩程度だと思い、強力かつベト付くクリーム状の虫よけを塗らずに来たことを激しく後悔。強力ではあるがスプレー式のしかもテントとかギア用の虫よけだけは振りかけていましたが、おそらく雨で流れ落ちた。
このヒルパニックのせいでドッと疲れました。せっかく水分補給したのに汗だくになるし、精神的にダメージが大きいです。
ここからは基本的に休憩は無しです。
ジャングル感が出て来ました。しかし、ここからジャングルを彷徨います。
分かれ道にあるプレートサインに倒木が直撃して、バラバラになっていたりします。
アップダウンの激しいジャングルを泥まみれになりながら進み、行き止まりとかもうヒルが怖くてそれはそれは嫌でした。が行くも地獄、帰るも地獄です。
さすがにジャングルに入り結構歩いたので、突如道の真ん中にこんなものが沢山現れました。
完全に象の糞です!それも野生の。こんなのがそこら中にゴロゴロしています。いよいよ野生動物との遭遇もありえるか?と思い始めた矢先
先頭を歩いていた私だけが遭遇しました。野生のイノシシと。
雨とヒルのせいで下を向きながら歩いていたので、イノシシの方が先に私に気づいた様で、ゴソゴソという物音とともに猛ダッシュで草むらから道に飛び出し、我々とは逆方向へ走って行きました。一瞬の出来事でしたが1.5mくらいはある大きなイノシシだったので迫力は凄かったですし。こちら側へ走って来られたらヤバかったな!と思う出来事でした。
なんとも言えない期待感を感じ始めた我々ですが、時計を見ると既に14時です。なんと3時間もジャングルを彷徨っていることになります。帰りのことを考えるとマジで笑えない。泊まりの装備は置いて来てるのにジャングル泊になってしまう恐怖=ヒルの恐怖。
歩くペースを早めブンブン・タビンを探します。
程なくして、ブンブン・タビンまで800mのサインを発見!嬉しい様な悲しいような。3時間かけて2.2km進んだ計算になるので、残り800mがいったい何分かかるのか?全く検討がつきません。
ヒルパニック以来、ヒルへの恐怖から足を止めず写真すら全然撮れていません。ヒルチェックも体力の消耗が激しいので見ないことにして進みます。
先ほどの看板から程なく登ったところでようやくブンブン・タビンが見えました!
ジャングルの奥に突如として現れたコンクリートの人工物になんだか違和感を覚えます。
それにしても、廃墟感がすごい。
3時間半かけてブンブン・タビンに到着です。
ようやく、足を止めて休憩が出来ます!
が、まずはヒルチェック!荷物を置き、明かりの無いブンブンの中で互いにスマホのライトを当てて確認します。
さあ、ヒルパニックの始まりです!笑
平和なコンクリートの床に我々が運び入れたヒル達が踊ります。恐ろしいのは、1度チェックした5分後にはもう体に登っていることです。5分毎いや3分毎のヒルチェックは精神的ダメージが大きいのです。
友人は数回目のチェックで腹を食われたり、頬から流血していたりとヒルに集られていました。3km程度の道のりでこれです。もし、ジャングルがクローズしてなかったらと考えると恐ろしい。
床がコンクリートでなければ完敗です。払っても払っても這い上がってくるヒル。
↓躍動感溢れるヒルパニックの画。ズボンに付いているゴムひもですらヒルと間違える程です。
床はこの有様。けっこう吸われてます。
この様にヒルのせいで休まる暇がありません。
それでも腹は減るので苦労して入手したガス缶とシングルバーナーでお湯を沸かし昼食です。
正直、動物観察どころではなくヒルを見ている時間の方が長かったです。
目の前にはおそらく動物が見えるだろうポイントの様なところが見えます。下の写真中央奥の草が生えていないところですが、泥濘んだ地面に無数の動物の足跡のようなものが確認できたのです。
しかし、残念ながらこの時は動物を見ることが出来ませんでした。ヒルに夢中だったからかも笑
ブンブン内にはトイレもありましたが、おそらく使えません。
こんなところで夜中にトイレしたくなったらどうするんでしょうかね。
時刻は15時過ぎ、帰路を考え戻ることにします。
荷物を片付け足早に退散!行きよりもかなり早いペースで歩きます。なるべく足を地面に接地させておきたくないのです。
ヒルチェックも無し!
しかし、どうでしょう。行きに通った道が様変わりしています。
これは小川ではなく道です。降り続く雨で通って来た道が水没しています。
ここで、ジャングルクローズの意味を理解します。閉鎖されている道はもはや道などないのでしょう。
歩けそうな所を踏みしめて歩きますが、泥に足が埋まり靴が脱げることもありましたし、勿論転けることも。
ただひたすら歩き続けることなんと1時間程で帰還することができました。
部屋に入る前にヒルが付いていないかチェックしてからシャワールームに直行です。
しかし、そこで待っていたのは….
そう!ヒルパニック再び。
床にも沢山ヒルが踊っています。もう悪夢のような画です。
生命力が強すぎて殺せないのでトイレに流します。
今後の為に持参した虫よけはヒルに効くのか試してみたところ、一番強力な(塗りもせず部屋に置いて行ってしまった)虫よけはヒルが避けて歩きます!
これは!と思い少しヒルに塗ってみるとしばらく変な動きをした後動かなくなりました。なんとヒルを殺す程の虫よけだったのです。
なんで塗らずに行かなかったのか。
ヒルを退治し、衣類と靴を洗い、シャワーを浴びたら外は真っ暗でした。
↓疲れていたので売店で買ったレッドブルですが、なんと炭酸抜き。とても不味かった。
腹も減ったので、レストランへ行くとBBQイベントが始まっていました。
続々と人が増えて、バンドが演奏を始めたりと賑やかになってきました。
テーブルに用意されてたパーティーグッズに笛があったせいで、些か耳を劈くような音が終始鳴り響いていました。
とりあえず、料理を頂きます。
しばらくすると、日本人カップルが近くの席に着きました。変わった人が居るもんですね〜!大晦日にマレーシアのジャングルへ来るなんて笑
日本語が耳に入るのですぐに分かるんですよね。まあ、日本人の少ない所を旅しているので日本語には敏感です。互いに気づくのでしょう。写真を撮ってくれと頼まれたとことから少し話し込みました。
出身が杉並だったか..KLからシャトルバスがあることを知らず、ここに辿り着くまで苦労したようでした。
ジャングルの恐ろしさを伝えてもやはり興味を持っていた(そりゃジャングルへ来ているのだから当然か)ので、もうこの旅では使わないだろう最強の虫よけをあげました。
ここのレストランは後ろにジャングルが広がっているとは思えないワインの品揃えです。ボトルで開けれないのが悔しいくらいに。
それでも、パーティーの盛り上がりと一番過酷なイベント(ジャングル)が終わった安堵感からお酒が進みます。
そうこうしているうちにカウントダウンが始まり、2017年が明けたのでした。